訴訟中の当事者の死亡と、目的である権利義務の譲渡を区別します。中断・受継、承継人の参加・引受け、判決効の問題を手続の順序から整理します。
何が誰に承継されたのかを特定する
当事者の死亡による相続や法人の合併では、包括的な承継が問題となります。他方、係属中の債権譲渡など特定の権利義務の移転では、承継人がどの方法で訴訟へ入るかを考えます。訴訟中に目的物が売られたことだけで、売主が自動的に訴訟からいなくなり買主へ交替すると説明してはいけません。
中断と受継の例外を確認する
124条1項は死亡等による中断と受継を定めますが、同条2項により訴訟代理人がある間は同項の中断規定は適用されません。相続放棄ができる期間の受継制限なども条文で確認します。受継の申立てと通知、裁判所の調査・裁判については126条以下を読みます。「死亡したら必ず全ての手続が止まる」と丸暗記しないことが大切です。
参加・引受けと脱退を区別する
係属中の権利承継人の参加では47条・49条を、義務承継人の引受けでは50条を確認します。51条には義務承継人の参加と権利承継人の引受けへの準用があります。引受けは裁判所の決定によるもので、当事者と第三者の審尋も必要です。元の当事者の脱退には48条の条件を確認します。判決効が承継人に及ぶ範囲は115条の問題であり、参加手続と混同しません。
区別して整理する
| 事情 | 主な規律 |
|---|---|
| 当事者死亡・合併等 | 124条以下の中断・受継と例外 |
| 係属中の権利義務の移転 | 47〜51条の参加・引受け |
| 判決後の効力の範囲 | 115条の承継人等 |
学習用の設例
学習用設例:AはBに貸金返還を求めて訴えた後、その債権をCへ譲渡しました。Bは「今日から訴訟の原告は当然にCだ」と主張しています。
債権譲渡という実体法上の移転と訴訟当事者の交替を分けます。Cが参加するか、引受けの申立てをするかを47条から51条に沿って確認します。Aの脱退も別の手続と条件を要し、譲渡だけで自動的に原告名が変わるとは結論しません。
確認問題
解答・解説:いいえ。同条2項は訴訟代理人がある間の例外を定めています。実体上の承継と手続の中断を分けて確認します。
答案に使う順序
- 何が誰に承継されたのかを特定する
- 中断と受継の例外を確認する
- 権利の移転だけで当事者の自動交替としない
- 代理人がある間の中断の例外を確認する
よくある質問
学習時に混同しやすい点は何ですか。
権利の移転だけで当事者の自動交替としない。代理人がある間の中断の例外を確認する。