制度の役割と対象
訴訟代理では、代理人となれる資格と、個々の行為を行える権限を区別します。民事訴訟法54条は資格、55条は委任を受けた事件に関する権限と特別の委任を定めます。訴訟を任されたというだけで、和解や訴えの取下げまで全てできると考えないことが重要です。
判断の手順
- 弁護士その他の法令上の資格と簡裁の許可の有無を確認する。
- どの事件について代理権が与えられたかを特定する。
- 55条2項の特別の委任が必要な行為を確認する。
- 権限不足の場合の補正・追認等を関係規定で検討する。
独自設例
【学習用設例】訴訟を委任された代理人Aが、本人の意向を確認せず和解しました。委任状には通常の訴訟行為の記載はありますが、和解についての授権は不明です。
当てはめと結論
代理人の資格があることと、和解の特別授権があることは別です。55条2項は和解や訴えの取下げ等について特別の委任を要求します。委任状等から与えられた権限を確認し、不足があるなら追認等の問題へ進みます。なお、反訴に関する訴訟行為一般と反訴の提起も、同条1項と2項を読んで区別します。
混同しやすい点と限界
会社の従業員だから地裁で当然に訴訟代理人になれるわけではありません。資格、法定代理、訴訟代理、補佐人を区別し、簡裁の許可についても適用範囲を確認します。
答案での使い方
資格と権限を二段階で書き、問題となる行為を55条の該当号へ対応させます。代理権の欠缺を論じる際は、追認や手続保障まで確認します。
確認問題
解答・解説:同じではありません。1項の権限と、2項1号の反訴提起に必要な特別の委任を読み分けます。