相手方等が持つ文書を証拠にするには、民訴法220条以下の提出義務と申立ての要件を確認します。内部資料という呼び名だけで、提出義務や自己利用文書の例外は決まりません。
制度の仕組みと検討する要件
文書提出義務は、訴訟で引用した文書、引渡し等を請求できる文書、利益文書・法律関係文書、一般義務など、220条の各根拠を区別して検討します。221条の申立てでは文書の表示、趣旨、所持者、証明すべき事実、提出義務の原因等を示します。自分に有利な資料があるはずだという探索的な希望だけでは足りません。
一般義務の除外事由の一つに、専ら文書所持者の利用に供するための文書があります。判断では作成目的、外部開示の予定、開示による不利益等を具体的に見る必要があり、社内文書ならすべて除外されるわけではありません。裁判所によるインカメラ手続など、開示の可否を審理する仕組みも確認します。
判断の順序
- 証明したい事実と対象文書をできる限り特定する。
- 220条のどの提出義務に当たるかを示す。
- 自己利用・秘密等の除外事由と、その具体的理由を検討する。
事例へのあてはめ
会社の取引議事録を用いて担当者の説明内容を証明したい場合、議事録が相手方に交付されたものか、社内判断のためだけに作成されたものかなどを確認します。「社外秘」の印があるという一点では決まりません。提出義務の根拠ごとに例外の働き方も異なるため、まず条文の入口を特定します。
混同しやすい点
文書提出義務の有無と、その文書の記載が信用できるかは別問題です。また、提出命令に従わない場合の224条の効果も、提出義務そのものの根拠と区別して検討します。
確認問題
解答・解説:退けることにはなりません。文書の作成目的、外部開示の予定、開示による支障、提出義務の根拠を具体的に検討します。内部資料という名称だけで220条の例外が成立するわけではありません。
根拠となる一次資料
よくある質問
会社が「内部資料だから出せない」と述べたら、裁判所はそれ以上検討せずに申立てを退けますか。
退けることにはなりません。文書の作成目的、外部開示の予定、開示による支障、提出義務の根拠を具体的に検討します。内部資料という名称だけで220条の例外が成立するわけではありません。