制度の役割と対象
判決の明白な誤記等を直す更正と、請求の一部に裁判がされていない場合の処理は別の制度です。民事訴訟法257条と258条を確認します。判断内容に不満がある場合の上訴を、誤記訂正の申立てに置き換えることはできません。何が欠け、何を変えたいかから整理します。
判断の手順
- 判決主文・理由と請求の範囲を対照する。
- 計算違い・誤記等の明白な誤りかを257条で確認する。
- 請求の一部の裁判が脱漏したかを258条1項で確認する。
- 費用負担の脱漏と、本案の結論への不服を分ける。
独自設例
【学習用設例】Aは貸金と立替金の二つを請求しました。判決は貸金だけを判断し、立替金の請求に触れていません。他方、貸金の判決理由には明白な足算の誤記もあります。
当てはめと結論
計算違いのような明白な誤りは257条の更正の対象を検討します。一方、独立した請求の一部について裁判が脱漏した場合、その部分の訴訟は258条1項によりなお係属し、追加の判決による処理が問題になります。既に判断された請求の当否を変更したいだけなら、通常は更正や追加ではなく上訴の問題です。費用負担の脱漏は同条2項の決定による扱いを確認します。
混同しやすい点と限界
理由の説明が薄いことと、請求そのものへの裁判の脱漏は同じではありません。また、更正の申立てをすれば上訴期間も当然に止まると考えず、各手続の規律を別に確認します。
答案での使い方
誤りの種類と対象を示し、257条か258条か、又は上訴かを選びます。本案請求の脱漏と訴訟費用裁判の脱漏の裁判形式も区別します。
確認問題
解答・解説:そのような本案判断への不服は、更正の問題とは異なります。明白な誤記等かを確認し、適切な上訴等を検討します。