盗品等関与罪は、盗んだ本人への処罰とは別に、犯罪で領得された物への関与を扱います。物の由来を認識していたか、いつ何を引き受けたかを確認します。
要件と制度の位置づけ
256条1項は、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受ける行為を定めます。2項は運搬、保管、有償の譲受け、有償の処分のあっせんを扱います。安く買った場合と、無料でもらった場合は適用する項が異なります。また、売却の話を聞いただけか、具体的な仲介をしたかも区別します。
まず、その物がどの財産犯罪によって領得されたかを特定します。犯罪収益らしいという漠然とした印象だけで、256条の対象物かを決めてはいけません。次に、行為者が盗品等であることを認識していたかを38条の故意の問題として検討します。購入価格だけで認識を断定せず、売主の説明、取引状況、物の状態等を具体的に評価します。
本犯への事前の関与と、犯罪後の盗品への関与は分けます。盗む前から運搬を約束して実行を容易にしていた場合には、窃盗の幇助等も問題になります。本犯自身が盗んだ物を運ぶことを、直ちに別の256条の罪として重ねるわけではありません。257条の親族等に関する特例も、誰と誰の間の関係かを確認して適用します。
判断の順序
- 対象物を領得した本犯と、今回の関与者を分ける。
- 無償譲受け・運搬・保管・有償譲受け・あっせんの行為を特定する。
- 盗品等の認識時点と、本犯への事前関与・親族特例を確認する。
具体例で考える
Aが盗んだ腕時計だと知るBが、Aから無料でもらえば1項の無償譲受けを検討します。金銭を払って買うなら2項です。盗品と知らずに買った時点と、後から由来を知った時点は分け、その後にどの保管等の行為をしたかを確かめます。発覚後の認識を、過去の購入時の故意へそのまま遡らせません。
区別すべき問題
盗品等関与罪の呼称が「贓物罪」とされる古い教材でも、現行法では256条の各行為類型に戻って読みます。犯罪由来の財産すべてに関わる一般的な資金洗浄規制と、同条の対象・要件も同一ではありません。
確認問題
解答・解説:同じ項ではありません。無償の譲受けは1項、有償の譲受けは2項です。物の由来の認識と、実際の関与行為・対価の有無を分けて確認します。
根拠となる一次資料
よくある質問
盗品と知りながら無料で譲り受けた場合と、有償で買い受けた場合は、256条の同じ項で処理しますか。
同じ項ではありません。無償の譲受けは1項、有償の譲受けは2項です。物の由来の認識と、実際の関与行為・対価の有無を分けて確認します。