逮捕監禁罪は人の身体の活動・移動の自由を保護します。身体へ直接拘束を加える逮捕と、一定の場所から出ることを困難にする監禁を区別し、手段と制約の実態を確かめます。
制度の仕組みと検討する要件
刑法220条の逮捕は身体を直接拘束する行為、監禁は一定の場所から脱出することを不可能又は著しく困難にする行為として整理できます。施錠だけでなく、脅しや見張りなど心理的な手段でも実質的に退出を妨げる場合があります。本人が一歩も動けないかではなく、移動の自由がどのように制限されたかを検討します。
違法な拘束であること、拘束の認識等を確認し、適法な逮捕権限や有効な同意がある場合を区別します。行為中に被害者が移動を望んだかだけで判断せず、拘束の客観的状況と本人の状態を検討する必要があります。死傷結果があれば221条との関係を確認し、暴行・脅迫等がある事例では他罪との関係も整理します。
判断の順序
- 身体への直接拘束か、場所からの退出制限かを整理する。
- 扉・見張り・脅迫等から脱出の困難さと故意を検討する。
- 権限・同意による適法性と、死傷結果・他罪との関係を示す。
事例へのあてはめ
AがBを部屋に閉じ込め、扉を施錠しなかったものの出口で「出たら殴る」と見張っていた例では、鍵がないという理由で監禁を否定できません。脅迫の内容、人数、Bの身体状況、別の安全な退出経路などから、退出が実質的に困難だったかを判断します。
混同しやすい点
刑事訴訟法上の逮捕は捜査のための身体拘束ですが、刑法の逮捕監禁罪の成立とは別の制度です。「逮捕」という同じ言葉を使うことから、私人の直接拘束を一律に処罰したり一律に許したりしないようにします。
確認問題
解答・解説:そのようにはいえません。監禁は物理的施錠に限らず、退出を不可能又は著しく困難にする実態を問題とします。脅迫の程度と被害者が置かれた状況を具体的に確認します。
根拠となる一次資料
よくある質問
部屋の扉に鍵が掛かっていなければ、脅迫で外へ出られない状態を作っても監禁罪には当たりませんか。
そのようにはいえません。監禁は物理的施錠に限らず、退出を不可能又は著しく困難にする実態を問題とします。脅迫の程度と被害者が置かれた状況を具体的に確認します。