学習法
AIの法律回答を確認する方法|条文番号・判例・適用時点の点検
AIが示した法律の説明は、出典が付いていても内容との一致を確認します。条文、裁判の特定、判決の射程、法改正、事実の前提を順に照合する手順を示します。
最初に根拠と結論を分ける
回答を「法令の説明」「判例の説明」「事実への当てはめ」「結論」に分けます。結論が自然でも、途中の条文や裁判の説明が違う場合があります。長い文章を一度に評価せず、根拠ごとに確かめます。
自分が入力していない事実が前提に追加されていないかも確認します。契約日、当事者の認識、登記の有無等が補われていれば、その部分を事実と仮定に分け直します。
条文は番号だけでなく本文を照合する
法令名、条番号、項番号をe-Govで開き、引用した内容と一致するかを見ます。条番号が実在しても、別の制度を定める規定かもしれません。要件と効果、ただし書、準用先まで確認します。
例えば民法95条の説明なら、現行法の取消しと、旧法下の無効という説明を区別します。古い判例の文章を現在の条文の説明として混ぜていないか、基準時を確かめます。
判例は裁判を一つに特定する
通称だけでなく、裁判日、裁判所・法廷、事件番号、掲載誌を確認します。最高裁の判断だと思って読んだ文章が、原審や当事者の上告理由を示す部分でないかも点検します。
裁判所の詳細と本文を開き、回答が述べる判断を原文のどこで確認できるかを探します。リンクが検索画面を指すだけなら、対象の裁判までたどります。見つからない事件番号を推測で補わないようにします。
判決の結論と射程を確かめる
破棄差戻しを、当事者の請求が最終的に認められたという説明にしていないか確認します。例えば三菱樹脂事件では、採用の自由と本採用拒否の判断を分け、差戻しという結論も残す必要があります。
また、取引の種類、権利、手続が違う事例へ、判決の言い回しだけを移していないかを見ます。一般論と本件の事実への適用を分けると、どこから先が推論かが分かります。
確認できた点と保留する点を記録する
確認表は「説明の一文/出典/一致した箇所/適用時点/未確認の点」とします。出典があることと、説明がその出典に支えられることを別の欄にすると、引用だけ整った回答を見分けやすくなります。
確認できない内容は断定せず保留します。AIに再質問する場合も、「正しいか」だけでなく、法令名・項番号や判断の該当箇所を求め、その回答をもう一度原文で確認します。
学習には説明を作り直す段階まで使う
照合後は、根拠の条文と重要事実を使って、自分の言葉で短く説明します。AIの文章を暗記するより、同じ結論に至る理由を組み立て直せるかを確かめる方が、別の問題にもつながります。
条文の選択や判例の射程で迷った点を一つ残し、次の復習で確認します。出典を開く手順を学習の中に入れ、もっともらしい説明だけで理解したことにしないようにします。