複数の債権者や債務者がいる契約では、誰がどこまで請求し、履行すべきかを確定する必要があります。給付を分けられるかと、全額請求を認める合意・法律の定めがあるかを分けて考えます。
制度の仕組みと検討する要件
427条は、数人の債権者又は債務者がいる場合、別段の意思表示がなければ各自が等しい割合で権利を持ち、又は義務を負うことを基本とします。金銭債務だから複数人のうち一人へ全額請求できると決め付けず、分割を原則とする場面か、連帯の合意等があるかを確認します。
428条の不可分債権は、債権の目的が性質上不可分である場合の規律です。各債権者による請求や弁済の効力には連帯債権の規定が準用されますが、すべての規定がそのまま当てはまるわけではありません。給付が性質上分けられないことと、金銭の全額請求を合意したことを区別します。
不可分債務については430条により連帯債務の規定の一部が準用されます。さらに後に可分の給付へ変わった場合などは431条も確認します。まず給付内容、人数、負担割合や連帯に関する合意を示し、その後に請求・弁済・免除等の個別の出来事が誰へ影響するかを検討します。
判断の順序
- 給付の性質が可分か不可分かを特定する。
- 分割割合、連帯などに関する意思表示・法定の根拠を確認する。
- 請求・弁済など個別の効力が他の当事者へ及ぶかを調べる。
事例へのあてはめ
AとBがCから共同で借りた60万円について、連帯の合意などがない場合、CがAへ60万円全部を当然に請求できるわけではありません。427条により分割の原則と割合を確認します。一方、A・Bが共同で注文した一体の彫刻をCが引き渡す義務では、給付が性質上分けられるかという別の判断が必要です。
混同しやすい点
共同で契約したという事実だけで、連帯債務・不可分債務・分割債務のいずれかは決まりません。また、債権者側の複数と債務者側の複数を混ぜると準用条文を誤ります。登場人物ごとに請求する側と履行する側を示します。
確認問題
解答・解説:当然にはなりません。給付が可分で、別段の意思表示や法律上の根拠がなければ427条の分割の原則が問題になります。連帯の合意の有無を別に確認します。
根拠となる一次資料
よくある質問
二人が借主になった金銭債務は、民法上、当然に二人の連帯債務となりますか。
当然にはなりません。給付が可分で、別段の意思表示や法律上の根拠がなければ427条の分割の原則が問題になります。連帯の合意の有無を別に確認します。