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法定地上権の成立要件|抵当権設定時の所有関係

土地と建物が抵当権の実行で別々の所有者に属することになった場合、建物を存続させる法定地上権が問題になります。抵当権設定時の建物の存在と所有関係から確認します。

更新日: 2026年10月25日著者: LavaLex編集部

30秒でわかる結論

土地と建物が抵当権の実行で別々の所有者に属することになった場合、建物を存続させる法定地上権が問題になります。抵当権設定時の建物の存在と所有関係から確認します。

到達目標

  • ✓抵当権設定時に建物が存在したかを確かめる。
  • ✓その時点の土地・建物の所有者を比較する。
  • ✓実行により所有者が分離したかを確認する。

ひっかけポイント

  • !法定地上権と、借地契約に基づく土地利用権は発生根拠が異なります。また、土地に対する抵当権の効力が建物に及ぶかという370条の問題とも区別します。建物が残るという結論だけを暗記せず、成立要件に対応する時点を示します。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

土地と建物が抵当権の実行で別々の所有者に属することになった場合、建物を存続させる法定地上権が問題になります。抵当権設定時の建物の存在と所有関係から確認します。

制度の仕組みと検討する要件

388条は、土地とその上の建物が同一の所有者に属する場合に、土地又は建物に抵当権が設定され、その実行によって所有者が異なるに至ったとき、建物について地上権が設定されたものとみなします。建物を取り壊す経済的損失を避ける一方、抵当権者の担保評価にも関わる制度です。

基本となるのは抵当権設定時の状況です。その時点で建物があり、土地と建物が同一人に属していたかを確認します。競売直前にたまたま同じ所有者になったことや、設定後に更地へ新築したことから、直ちに法定地上権の成立を導くことはできません。

要件を満たすと、当事者が改めて地上権設定契約を結ばなくても建物のための利用権が認められます。地代は当事者の請求により裁判所が定めます。複数の抵当権や建物の再築がある事例は、単純な設定時の要件確認をした後、担保評価がどのように変化したかを追加して検討します。

判断の順序

  1. 抵当権設定時に建物が存在したかを確かめる。
  2. その時点の土地・建物の所有者を比較する。
  3. 実行により所有者が分離したかを確認する。

事例へのあてはめ

Aが土地と建物の両方を所有している時に土地へ抵当権を設定し、競売で土地をBが買い受けたとします。設定時の建物の存在と同一所有、実行による所有の分離を満たせば、建物のための法定地上権を検討できます。反対に、抵当権設定時は更地で、Aがその後に建物を建てた事例では、同じ結論にはなりません。

混同しやすい点

法定地上権と、借地契約に基づく土地利用権は発生根拠が異なります。また、土地に対する抵当権の効力が建物に及ぶかという370条の問題とも区別します。建物が残るという結論だけを暗記せず、成立要件に対応する時点を示します。

確認問題

解答・解説:その事情だけでは成立しません。基本的には抵当権設定時に建物が存在していたことが必要です。建築時と抵当権設定時の前後関係を確認します。

根拠となる一次資料

よくある質問

抵当権を設定した時には更地だったが、競売時には建物があるというだけで、388条の法定地上権は成立しますか。

その事情だけでは成立しません。基本的には抵当権設定時に建物が存在していたことが必要です。建築時と抵当権設定時の前後関係を確認します。

答案・記述式での使い方

抵当権設定時の建物の存在と同一所有、実行による所有の分離を時系列で示します。設定後の新築という事実は設定時の条件を満たす根拠にはしません。

次にやること

この論点は単独で暗記するより、条文・判例・関連論点とつなげて読むと定着しやすくなります。