過失犯は例外的に処罰される
刑法38条1項は故意のない行為を罰しないことを原則とし、法律に特別の規定がある場合に過失犯を処罰します。したがって、まず対象犯罪に過失処罰の規定があるかを確認します。故意が否定されたから、同じ犯罪の過失犯が自動的に成立するわけではありません。
結果を予見できたか
行為当時の情報や状況に照らし、問題となる危険を予見できたかが出発点です。事故が起きた後の知識をそのまま行為者に要求してはいけません。専門職や担当者の知識・役割、危険を知らせる具体的な兆候などを整理し、どの程度の結果や経過を予見する必要があるかを検討します。
どの回避行動が必要だったか
例えば、店の従業員が通路にこぼれた液体を見つけた場合、清掃や立入制限などの回避措置が考えられます。ただし、その人の権限、時間的余裕、用具の有無も重要です。「注意すべきだった」という抽象論で終えず、具体的に何をすれば結果を避けられたかを書きます。
結果との結び付きを確かめる
注意義務違反があっても、要求された行動を取った場合に結果を回避できたか、実際の結果がその危険の現実化かを検討します。全く別の原因による結果まで当然に責任を負わせることはできません。また、他者を信頼してよい状況だったかは、役割や危険の兆候に応じて問題になります。
試験での使い方
処罰規定、予見可能性、具体的な結果回避義務、義務違反、結果との因果関係を順に検討します。民事上の賠償責任と刑事上の過失犯では目的や要件の検討が異なるため、同じ結論になると決めつけないようにします。
確認問題
過失による器物損壊も、物が壊れた以上、刑法261条の器物損壊罪として当然に処罰される。正しいですか。
法令確認基準日:2026年10月22日。本稿は資格学習用の一般的な解説です。
よくある質問
結果を予見できれば、それだけで過失犯になりますか。
それだけでは足りません。具体的な結果回避義務とその違反、回避可能性や結果との因果関係などを検討します。