Case Brief
石に泳ぐ魚事件|小説の表現と人格権による差止め
実在の私人をモデルとする小説により名誉・プライバシー・名誉感情を侵害されたとする本人が、損害賠償と出版等の差止めを求めました。表現の自由との関係で、人格権に基づく小説の出版差止めを認められるか。
裁判所
最高裁判所第三小法廷
判決日
2002-09-24
引用
平成13(オ)851/集民 第207号243頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:実在の私人をモデルとする小説により名誉・プライバシー・名誉感情を侵害されたとする本人が、損害賠償と出版等の差止めを求めました。小説という形式の表現でも、読者がモデルを特定できることや、記述が与える損害が問題になります。 争点:表現の自由との関係で、人格権に基づく小説の出版差止めを認められるか。 判断:裁判所が公表する裁判要旨は、次のとおりです。 「甲をモデルとし,経歴,身体的特徴,家族関係等によって甲と同定可能な乙が全編にわたって登場する小説において,乙が顔面にしゅようを有すること,これについて通常人が嫌う生物や原形を残さない水死体の顔などに例えて表現されていること,乙の父親が逮捕された経歴を有していることなどの記述がされていることなど判示の事実関係の下では,公共の利益にかかわらない甲のプライバシーにわたる事項を表現内容に含む同小説の出版により公的立場にない甲の名誉,プライバシー及び名誉感情が侵害され,甲に重大で回復困難な損害を被らせるおそれがあるとして,同小説の出版の差止めを認めた原審の判断には,違法がない。」 読み方:不快な表現なら常に出版を差し止められる、という判断ではありません。モデルの立場、内容、損害の重大性と回復困難性などを事案に即して確認します。確認問題:損害賠償と差止めの要件は同じか。答え:同じではなく、将来の表現を止める必要性を別に検討します。
射程
不快な表現なら常に出版を差し止められる、という判断ではありません。モデルの立場、内容、損害の重大性と回復困難性などを事案に即して確認します。確認問題:損害賠償と差止めの要件は同じか。答え:同じではなく、将来の表現を止める必要性を別に検討します。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月26日