Case Brief
法人格否認と既判力|実体法上の責任と執行力の違い
旧会社の債務の支払を免れる目的等で新会社が設立され、旧会社への債務名義を使って新会社へ強制執行するための執行文付与が求められました。法人格否認の法理を理由に、旧会社への判決の既判力・執行力を当然に新会社へ拡張できるか。
裁判所
最高裁判所第一小法廷
判決日
1978-09-14
引用
昭和50(オ)745/集民 第125号57頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:旧会社の債務の支払を免れる目的等で新会社が設立され、旧会社への債務名義を使って新会社へ強制執行するための執行文付与が求められました。両社の実体的な関係と、判決の効力を受ける者の範囲が問題になりました。 争点:法人格否認の法理を理由に、旧会社への判決の既判力・執行力を当然に新会社へ拡張できるか。 判断:裁判所が公表する裁判要旨は、次のとおりです。 「新会社の設立について旧会社の負担する債務の支払を免れることを目的とするなど判示の事情が存する場合においても、旧会社と新会社を同一の法人格と解し、又は法人格否認の法理に基づいて、旧会社に対する債務名義につき新会社に対する強制執行のため執行文の付与を命ずることはできない。」 読み方:新会社へ実体法上の請求ができることと、旧会社の債務名義をそのまま使えることは別です。訴訟・執行手続の明確性と安定を踏まえます。確認問題:実質が同じ会社なら別の訴訟を経ず常に執行できるか。答え:いいえ。本判決はその当然の拡張を認めません。
射程
新会社へ実体法上の請求ができることと、旧会社の債務名義をそのまま使えることは別です。訴訟・執行手続の明確性と安定を踏まえます。確認問題:実質が同じ会社なら別の訴訟を経ず常に執行できるか。答え:いいえ。本判決はその当然の拡張を認めません。実体法と訴訟法の効果を分けます。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月26日