Case Brief
余目町個室付浴場事件|形式的な基準適合と行政権の濫用
余目町個室付浴場事件について、事案・争点・判断・射程を整理します。判決の結論を丸暗記せず、どの事実が判断を分けるかを具体例と確認問題から学べます。
更新日: 2026年10月24日
裁判所
最高裁判所第二小法廷
判決日
1978-05-26
引用
民集 第32巻3号689頁(昭和49(行ツ)92)
判旨・学習上の位置づけ
事案:個室付浴場の開業を阻止することを主な目的として児童遊園の設置認可が行われ、営業者が損害賠償を求めました。児童遊園の設置には基準への形式的な適合が認められるという事情がありました。 争点:児童福祉に関する認可の権限を、別の営業を妨げるために使うことが許されるか。客観的な設置基準に適合すれば、権限行使の目的にかかわらず適法といえるかが問題です。 判断:最高裁は、認定された具体的な経緯の下で、開業阻止を主たる目的とした知事の認可処分を行政権の著しい濫用としました。児童遊園が設置基準に適合していても、そのことだけで権限行使の適法性は確保されません。判決は国家賠償法1条1項にいう違法な公権力の行使に当たるとしています。許認可権限の目的、行使の経緯、他の主体の行動との連携を、形式的な基準判断とは別に検討する必要があります。
射程
行政庁に別の政策的動機が少しでもあれば直ちに違法とするものではありません。本件では開業阻止という主たる目的と具体的な経緯が重視されました。判決は損害賠償請求に関するもので、取消訴訟の訴訟要件と混同しないようにします。 具体例:新たな施設認可の時期が特定営業の出店に合わせられていた場合、時系列だけで断定せず、必要性の検討過程や行政目的との関係を事実から説明します。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月24日