論点解説
無効・取消し・解除の違い|効力と解消の根拠から選ぶ
契約の拘束を否定する場面でも、最初から効力がないのか、取消権を行使するのか、契約を解除するのかで検討が変わります。何が起きた時点の、どの根拠を使うかを示します。
契約の拘束を否定する場面でも、最初から効力がないのか、取消権を行使するのか、契約を解除するのかで検討が変わります。何が起きた時点の、どの根拠を使うかを示します。
比較表
比較点 | 無効 | 取消し | 解除 |
|---|---|---|---|
出発点 | 法律行為の効力が認められない原因 | 法定の取消原因と取消権 | 契約又は法律上の解除権 |
例 | 公序良俗違反等 | 制限行為能力、詐欺等 | 債務不履行等 |
行使 | 当然無効の原因と主張を確認 | 権利者が意思表示 | 相手方への意思表示 |
効果の検討 | 返還等の根拠を確認 | 121条・121条の2等 | 545条等・契約類型の特則 |
原因と権利者を特定する
無効と取消しは、法律行為の成立時の事情に着目する場面が中心です。ただし、全ての不都合な契約が当然無効になるわけではありません。詐欺、強迫、行為能力等の具体的な根拠と、取消権者を確認します。
解除の要件を別に検討する
契約上又は法律上の解除権があることを前提に、540条の意思表示を検討します。債務不履行なら541条・542条等の催告、期間、軽微性や無催告解除の事由を読みます。履行が遅れたというだけで常に即時解除できるわけではありません。
効果を単純に同じにしない
取消しの121条、原状回復の121条の2、解除の545条等を分けて確認します。第三者保護も原因と制度に応じて異なります。賃貸借等の継続的契約には特則があるため、全てを一律に初めから存在しなかったと説明しません。
独自設例
【学習用設例】Aは詐欺により商品を買いました。別の場面では、有効に売買した商品を売主が期限を過ぎても引き渡しません。
設例の解説
詐欺の場面は96条等による取消しを検討します。引渡し遅滞の場面は債務不履行解除の条件を確認します。どちらも「要らなくなったので無効」とは説明できません。返還を求める際も、使う制度に応じて効果と第三者の存在を確認します。
確認問題
取消しも解除も、当事者が希望すれば根拠なく自由に行使できますか。
解答・解説:いいえ。取消原因又は解除権の根拠と要件、行使方法を確認します。合意による解消とも区別します。
参考資料
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