論点解説
故意と過失の違い|結果から行為時の認識を逆算しない
人が傷ついたという結果から、直ちに故意犯か過失犯かは決まりません。行為時に何を認識し、どのような行動を取れたか、そもそも過失を処罰する規定があるかを順に確かめます。
人が傷ついたという結果から、直ちに故意犯か過失犯かは決まりません。行為時に何を認識し、どのような行動を取れたか、そもそも過失を処罰する規定があるかを順に確かめます。
比較表
比較点 | 故意 | 過失 |
|---|---|---|
基本の視点 | 犯罪事実の認識等 | 注意義務違反等 |
根拠 | 38条1項本文等 | 38条1項ただし書と個別規定 |
確認する事実 | 行為時に何を認識していたか | 予見・回避に関する具体的事情 |
避ける説明 | 重大結果だから当然に故意 | 結果が出たから当然に過失 |
過失処罰の規定を先に探す
38条1項は故意のない行為を原則として罰せず、法律に特別の規定がある場合を例外とします。209条・210条・211条等の対象や条件を確認します。民事上の損害賠償で過失が問題となることと、刑事処罰があることは同じではありません。
認識と動機・法律知識を区別する
犯罪事実を認識していたかと、恨み等の動機があるかは別です。38条3項は法律を知らなかったことを直ちに故意の欠如としません。また、危険を認識したあらゆる場面を一律に故意とせず、未必の故意等の枠組みに即して具体的な認識を検討します。
注意義務を具体化する
過失の検討では、どの危険をどの事情から予見でき、何をすれば結果を避けられたかを具体化します。事故の後から理想的な行動を列挙するだけでは足りません。業務上過失等の罪では、個別規定の行為・結果・因果関係も確認します。
独自設例
【学習用設例】Aが高所から資材を落とし、通行人が負傷しました。Aは下に人がいることを知っていた場合と、安全確認ができたのに怠った場合があります。
設例の解説
結果が同じでも認識や行為状況を分けます。前者も具体的な認識等を確認して故意の問題を検討し、後者は処罰規定と注意義務を確認します。被害が大きかったという事情だけで、故意や重過失を逆算しないことが重要です。
確認問題
刑法上、全ての犯罪には当然に過失犯の処罰も用意されていますか。
解答・解説:いいえ。38条1項ただし書に対応する特別の規定を確認します。
参考資料
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