何が起きたか
正式な招集手続を欠いた株主総会に全株主が出席しました。代理人による出席も含め、どの条件なら有効な総会決議と認められるかが争われました。
- 全株主が開催に同意して出席したこと
- 代理人の委任と決議事項の範囲
何が問題になったか
代理人による出席も含め、どの条件なら有効な総会決議と認められるかが争われました。
裁判所の判断と理由
株主全員が開催に同意して出席した総会の決議は有効であり、代理出席では本人が議題を知って委任し、決議がその範囲内であること等が必要とされました。
全員が会場にいたという事実だけではなく、総会を開いて議決することへの同意が重要です。代理の場合には、本人が知らない議題へ勝手に同意が拡張されていないかを確認します。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
一部株主を除外しても多数が出席すればよいという判決ではありません。議題や議決権行使に関する他の瑕疵がすべて解消されるわけでもありません。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
代理出席した株主が知らない別の議題を、その場で決議した場合も当然に有効ですか。
当然にはいえません。議題を了知した委任と決議内容の範囲という、本判決の条件を満たすか確認します。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「全株主が開催に同意して出席したこと」です。次に「代理人の委任と決議事項の範囲」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。