何が起きたか
取締役の報酬について、株主総会が後から無報酬へ変更する決議をしました。本人が同意しない場合にも既存の報酬請求権が失われるかが争われました。
- 具体的に定まった取締役報酬
- 本人が無報酬への変更に同意していないこと
何が問題になったか
本人が同意しない場合にも既存の報酬請求権が失われるかが争われました。
裁判所の判断と理由
取締役報酬を無報酬にする株主総会決議があっても、当該取締役が変更に同意しない限り、その報酬請求権は失われないとされました。
報酬を決める会社法上の手続と、具体的に成立した取締役と会社の報酬関係を区別します。会社の多数決だけで本人の権利を一方的に消せるとは限りません。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
すべての報酬変更に同じ結論を無条件に広げません。具体的請求権の成立、定款・決議・合意の内容と、本人の変更同意を確認します。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
本人が内容を理解して無報酬への変更に同意した場合も、同じ判例の結論になりますか。
本人の同意がある点で異なります。合意の成立と範囲を確認し、決議だけで変更した本件と区別します。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「具体的に定まった取締役報酬」です。次に「本人が無報酬への変更に同意していないこと」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。