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判例解説

取締役の第三者責任大法廷判決|他人任せの経営と任務懈怠

代表取締役が他の代表取締役等へ業務を任せきりにして不正や任務懈怠を看過し、第三者に損害が生じました。悪意・重過失による会社への任務懈怠と第三者の損害に相当因果関係があれば、直接損害だけでなく会社の損害を通じた間接損害についても責任を負うとされました。

更新日: 2026年10月27日
裁判所
最高裁判所大法廷
裁判年月日
1969年11月26日
出典
民集 第23巻11号2150頁
事件番号・裁判種別
昭和39(オ)1175・判決

何が起きたか

代表取締役が他の代表取締役等へ業務を任せきりにして不正や任務懈怠を看過し、第三者に損害が生じました。旧商法266条ノ3の責任の性質と範囲が問題です。

  • 他者へ業務を全面的に任せ監督しなかったこと
  • 任務懈怠と第三者損害の因果関係

何が問題になったか

旧商法266条ノ3の責任の性質と範囲が問題です。

裁判所の判断と理由

悪意・重過失による会社への任務懈怠と第三者の損害に相当因果関係があれば、直接損害だけでなく会社の損害を通じた間接損害についても責任を負うとされました。

悪意や重過失は、第三者へ損害を与える意図だけを指すのではありません。会社に対する任務を怠ったことに関する要件であり、業務を全く監督しない態度も問題になります。

判決本文・裁判要旨で確かめる

裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。

この判例が当てはまる範囲

会社の債務不履行があれば取締役が自動的に保証人になるという制度ではありません。現在の会社法429条の要件と、会社に対する423条の責任を分けて確認します。

事実を変えて考える

以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。

業務を分担していても、重大な不正を認識しながら放置した取締役は、担当外というだけで免責されますか。

免責されるとは限りません。役割に応じた監視・監督義務、任務懈怠の悪意・重過失、第三者損害との因果関係を検討します。

答案・学習での使い方

検討の出発点は「他者へ業務を全面的に任せ監督しなかったこと」です。次に「任務懈怠と第三者損害の因果関係」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月28日

3問で理解を確かめる

本文を見ずに答えてみましょう。記述問題は模範解答と確認項目を読んで、自分で振り返ります。採点結果は学習成績には自動反映されません。解説を確認した問題は、ログイン後に復習ノートや確認カードへ保存できます。

問1・選択問題

取締役の第三者責任大法廷判決について、判断の説明として適切なものを選んでください。

問2・記述問題(自己確認)

取締役の第三者責任大法廷判決で重要な二つの事情を挙げ、判断との関係を説明してください。

問3・記述問題(自己確認)

事実を変えて考える:業務を分担していても、重大な不正を認識しながら放置した取締役は、担当外というだけで免責されますか。

次に学ぶこと