LLavaLex法律資格学習プラットフォーム

判例解説

承継的共同正犯と傷害|加担前の結果まで責任を負うか

他の者が被害者へ傷害を負わせた後に、被告人が共謀へ加わって暴行し、傷害を重篤化させました。共謀加担前に既に生じ、自己の共謀・行為と因果関係を持たない傷害結果には責任を負わず、加担後に傷害の発生へ寄与した部分の責任を負うとされました。

更新日: 2026年10月27日
裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
2012年11月6日
出典
刑集 第66巻11号1281頁
事件番号・裁判種別
平成24(あ)23・決定

何が起きたか

他の者が被害者へ傷害を負わせた後に、被告人が共謀へ加わって暴行し、傷害を重篤化させました。後から加わった者が、既に発生していた結果も負担するかが問題です。

  • 加担前に既に生じた傷害
  • 加担後の暴行による傷害の重篤化

何が問題になったか

後から加わった者が、既に発生していた結果も負担するかが問題です。

裁判所の判断と理由

共謀加担前に既に生じ、自己の共謀・行為と因果関係を持たない傷害結果には責任を負わず、加担後に傷害の発生へ寄与した部分の責任を負うとされました。

犯罪の途中から参加した事実だけで、過去に遡って原因になることはできません。既存の傷害と後の悪化を分け、どの暴行がどの結果に関係したかを検討します。

判決本文・裁判要旨で確かめる

裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。

この判例が当てはまる範囲

後から加担すれば責任がないという判断ではありません。加担後の暴行と傷害の寄与は責任の対象となります。罪名ごとの構造の違いも確認します。

事実を変えて考える

以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。

加担後の暴行により新たな傷害を生じさせた場合、その傷害についても責任を否定できますか。

否定できません。加担前の既存結果と異なり、自己の共謀・行為が新たな傷害へ寄与している点を評価します。

答案・学習での使い方

検討の出発点は「加担前に既に生じた傷害」です。次に「加担後の暴行による傷害の重篤化」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月28日

3問で理解を確かめる

本文を見ずに答えてみましょう。記述問題は模範解答と確認項目を読んで、自分で振り返ります。採点結果は学習成績には自動反映されません。解説を確認した問題は、ログイン後に復習ノートや確認カードへ保存できます。

問1・選択問題

承継的共同正犯と傷害について、判断の説明として適切なものを選んでください。

問2・記述問題(自己確認)

承継的共同正犯と傷害で重要な二つの事情を挙げ、判断との関係を説明してください。

問3・記述問題(自己確認)

事実を変えて考える:加担後の暴行により新たな傷害を生じさせた場合、その傷害についても責任を否定できますか。

次に学ぶこと