何が起きたか
所有者ではない者が占有していた物が盗まれました。犯人と占有者との間には所定の親族関係があっても、所有者との関係が別である場合に244条1項を適用できるかが問題です。
- 占有者と所有者が別人であること
- 両者それぞれと犯人の親族関係
何が問題になったか
犯人と占有者との間には所定の親族関係があっても、所有者との関係が別である場合に244条1項を適用できるかが問題です。
裁判所の判断と理由
所有者と占有者が異なる場合、244条1項の適用には、犯人と占有者だけでなく、犯人と所有者との間にも所定の親族関係が必要とされました。
窃盗が害する占有関係だけに注目すると、物の所有者が親族以外である点を見落とします。物を誰が持ち、誰が所有するかを人物関係として書き分けます。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
親族相盗例は窃盗自体が成立しないという規定ではありません。犯罪成立と刑の免除等の効果を区別し、対象条項の親族の範囲も確認します。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
親族が預かっている第三者所有の物を盗んだ場合、親族から盗んだというだけで足りますか。
足りません。所有者との間にも所定の親族関係があるかを確認する必要があります。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「占有者と所有者が別人であること」です。次に「両者それぞれと犯人の親族関係」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。