Case Brief
シャクティパット事件|不作為による殺人と救命措置
重篤な患者を病院から移して、自らの治療を施すとして引き受けた者が、必要な医療を受けさせず患者が死亡しました。救命措置を取るべき作為義務を認め、医療を受けさせない不作為を殺人として評価できるか。
更新日: 2026年10月26日
裁判所
最高裁判所第二小法廷
判決日
2005-07-04
引用
平成15(あ)1468/刑集 第59巻6号403頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:重篤な患者を病院から移して、自らの治療を施すとして引き受けた者が、必要な医療を受けさせず患者が死亡しました。医療を受ける機会を失わせた引受けと、その後の放置が問題になりました。 争点:救命措置を取るべき作為義務を認め、医療を受けさせない不作為を殺人として評価できるか。 判断:裁判所が公表する裁判要旨は、次のとおりです。 「重篤な患者の親族から患者に対する「シャクティ治療」(判文参照)を依頼された者が,入院中の患者を病院から運び出させた上,未必的な殺意をもって,患者の生命を維持するために必要な医療措置を受けさせないまま放置して死亡させたなど判示の事実関係の下では,不作為による殺人罪が成立する。」 読み方:家族の依頼や治療を望む動機だけで義務違反を否定しません。患者の危険、引受け、支配、救命措置の可能性と故意をそれぞれ検討します。確認問題:治療と呼べば放置は不作為犯にならないか。答え:いいえ。呼称でなく実際の行為と義務を確認します。
射程
家族の依頼や治療を望む動機だけで義務違反を否定しません。患者の危険、引受け、支配、救命措置の可能性と故意をそれぞれ検討します。確認問題:治療と呼べば放置は不作為犯にならないか。答え:いいえ。呼称でなく実際の行為と義務を確認します。救命措置を取れた時点も示します。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月26日