何が起きたか
捜査官が被害者や被疑者に犯行状況を再現させ、その様子を調書と写真にしました。その内容から犯罪事実を証明する場合の証拠能力が争われました。
- 過去の犯行を供述者に再現させたこと
- 再現どおりの犯罪事実を証明する目的
何が問題になったか
その内容から犯罪事実を証明する場合の証拠能力が争われました。
裁判所の判断と理由
再現された犯罪事実の存在を証明するなら、調書の321条3項の要件だけでなく、再現者の供述や写真部分についても供述者に応じた伝聞例外の要件が必要です。
写真は撮影時の動作を忠実に写していても、過去の出来事を再現する人の記憶・表現を通しています。何を証明しようとしているかから、供述の正確さが問題となることを確認します。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
実況見分調書や写真がすべて伝聞という判断ではありません。要証事実、作成目的、再現者が被告人か第三者か、証拠同意の有無を区別します。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
再現写真を、その場で再現行為をしたという事実だけの証明に使う場合も同じ検討ですか。
要証事実が異なります。過去の犯行が再現どおりだったことを証明する場合と区別し、供述内容の真実性が問題となるかを判断します。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「過去の犯行を供述者に再現させたこと」です。次に「再現どおりの犯罪事実を証明する目的」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。