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判例解説

旅券発給拒否理由付記事件|条番号だけでは足りない理由

一般旅券の発給を拒否した通知に、拒否理由として旅券法の該当条項だけが記載され、基礎となる事実関係が示されていませんでした。拒否の根拠条項を示すだけで、適用の基礎となった具体的な事実関係を記載しない通知は、法が求める理由付記として不備であり、処分は違法とされました。

更新日: 2026年10月27日
裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
1985年1月22日
出典
民集 第39巻1号1頁
事件番号・裁判種別
昭和57(行ツ)70・判決

何が起きたか

一般旅券の発給を拒否した通知に、拒否理由として旅券法の該当条項だけが記載され、基礎となる事実関係が示されていませんでした。申請者が処分の取消し等を求めました。

  • 通知書には条項だけが記載されていたこと
  • 具体的な基礎事実が示されなかったこと

何が問題になったか

申請者が処分の取消し等を求めました。

裁判所の判断と理由

拒否の根拠条項を示すだけで、適用の基礎となった具体的な事実関係を記載しない通知は、法が求める理由付記として不備であり、処分は違法とされました。

理由提示には行政の判断を慎重にし、恣意を抑えるとともに、相手方が争うための手掛かりを与える意味があります。結論と条番号だけでは、何を認定して要件に当てはめたのか分かりません。

判決本文・裁判要旨で確かめる

裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。

この判例が当てはまる範囲

常に証拠の全内容を通知書へ書く義務があるという判決ではありません。個別法が要求する程度と、記載から根拠を理解できるかを検討します。

事実を変えて考える

以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。

通知書に該当条項に加えて、その適用を基礎付ける具体的な行為や経緯が記載されていたらどうですか。

本件のような条項のみの通知とは異なります。なお、その内容が要件との関係を理解できる程度に具体的かを、根拠法の趣旨に照らして判断します。

答案・学習での使い方

検討の出発点は「通知書には条項だけが記載されていたこと」です。次に「具体的な基礎事実が示されなかったこと」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月28日

3問で理解を確かめる

本文を見ずに答えてみましょう。記述問題は模範解答と確認項目を読んで、自分で振り返ります。採点結果は学習成績には自動反映されません。解説を確認した問題は、ログイン後に復習ノートや確認カードへ保存できます。

問1・選択問題

旅券発給拒否理由付記事件について、判断の説明として適切なものを選んでください。

問2・記述問題(自己確認)

旅券発給拒否理由付記事件で重要な二つの事情を挙げ、判断との関係を説明してください。

問3・記述問題(自己確認)

事実を変えて考える:通知書に該当条項に加えて、その適用を基礎付ける具体的な行為や経緯が記載されていたらどうですか。

次に学ぶこと