何が起きたか
国営空港周辺の住民が、航空機の騒音被害について、夜間の空港供用の差止めと損害賠償などを求めました。一つの訴えの中に、異なる救済方法が含まれています。
- 供用差止めと賠償という異なる請求
- 施設の利用態様による騒音被害
何が問題になったか
一つの訴えの中に、異なる救済方法が含まれています。
裁判所の判断と理由
国営空港の供用を一定時間差し止める民事上の訴えは不適法とする一方、利用の態様によって第三者に危害を生じさせる場合の営造物の瑕疵を認める枠組みが示されました。
空港という物の存在だけでなく、航空行政権限と結び付く供用のあり方、騒音の頻度や程度が問題です。請求の種類ごとに、訴訟の入口と賠償の実体的要件を分けて検討する必要があります。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
差止めが不適法だから賠償責任もない、という判決ではありません。将来の損害賠償についても請求権の成立と額をあらかじめ認定できるかが別に問題となりました。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
住民が過去の騒音被害について金銭賠償だけを求めた場合にも、民事差止めの不適法という理由だけで請求を退けられますか。
退けられません。賠償請求について、営造物の瑕疵、損害、因果関係等を検討する必要があります。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「供用差止めと賠償という異なる請求」です。次に「施設の利用態様による騒音被害」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。