何が起きたか
養父が、日頃の言動で自分を畏怖し意思を抑圧された12歳の養女を利用して窃盗を行いました。養女に善悪を判断する能力があったことが争点となりました。
- 12歳であっても善悪の判断能力があったこと
- 養父への畏怖により意思を抑圧されていたこと
何が問題になったか
養女に善悪を判断する能力があったことが争点となりました。
裁判所の判断と理由
本件のように畏怖により意思を抑圧された12歳の養女を利用した事情の下では、善悪の判断能力があっても利用者に窃盗の間接正犯が成立するとされました。
刑事未成年という年齢だけでも、善悪の理解だけでも結論を出しません。利用者との関係、命令への抵抗可能性、行為を支配した実態を事実から説明します。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
未成年者に頼めば常に間接正犯、判断能力があれば必ず教唆犯、という二分法を避けます。本件の強い支配関係が重要です。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
依頼を自由に断れる対等な関係で、自らの判断で窃盗した場合も同じですか。
意思が抑圧され行為が支配されたという事情が異なります。教唆等を含め、関与の態様に応じて別に検討します。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「12歳であっても善悪の判断能力があったこと」です。次に「養父への畏怖により意思を抑圧されていたこと」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。