Case Brief
勘違い騎士道事件|誤想防衛と過剰な反撃
男女のもみ合いを見た者が、女性が男性から暴行されていると誤解して介入し、相手の防御姿勢も攻撃と誤信して空手の回し蹴りを加えました。認識した侵害を前提にしても反撃が相当性を超える場合、どのように評価するか。
裁判所
最高裁判所第一小法廷
判決日
1987-03-26
引用
昭和59(あ)1699/刑集 第41巻2号182頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:男女のもみ合いを見た者が、女性が男性から暴行されていると誤解して介入し、相手の防御姿勢も攻撃と誤信して空手の回し蹴りを加えました。男性は転倒して後に死亡しました。客観的な侵害はなく、誤信した事情が問題となりました。 争点:認識した侵害を前提にしても反撃が相当性を超える場合、どのように評価するか。 判断:裁判所が公表する裁判要旨は、次のとおりです。 「空手三段の在日外国人が、酩酊した甲女とこれをなだめていた乙男とが揉み合ううち甲女が尻もちをついたのを目撃して、甲女が乙男から暴行を受けているものと誤解し、甲女を助けるべく両者の間に割つて入つたところ、乙男が防衛のため両こぶしを胸に前辺りに上げたのを自分に殴りかかつてくるものと誤信し、自己及び甲女の身体を防衛しようと考え、とつさに空手技の回し蹴りを乙男の顔面付近に当て、同人を路上に転倒させ、その結果後日死亡するに至らせた行為は、誤信にかかる急迫不正の侵害に対する防衛手段として相当性を逸脱し、誤想過剰防衛に当たる。」 読み方:現実の侵害がある過剰防衛と、侵害を誤信した誤想過剰防衛を区別します。「助けるつもり」だけで正当化されません。確認問題:防衛意思があれば手段の相当性は問わないか。答え:いいえ。誤信した事情を前提にしても手段・程度を検討します。
射程
現実の侵害がある過剰防衛と、侵害を誤信した誤想過剰防衛を区別します。「助けるつもり」だけで正当化されません。確認問題:防衛意思があれば手段の相当性は問わないか。答え:いいえ。誤信した事情を前提にしても手段・程度を検討します。認識した危険と実際の危険を分けます。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月26日