何が起きたか
被告人が先に相手へ暴行し、相手が直後に近接した場所で攻撃すると、被告人はさらに傷害を負わせました。一連の経過を切り離し、最後の攻撃だけを侵害として防衛を主張できるかが問題です。
- 先行暴行に触発された直後・近接場所の攻撃
- 相手の攻撃が先行暴行を大きく超えないこと
何が問題になったか
一連の経過を切り離し、最後の攻撃だけを侵害として防衛を主張できるかが問題です。
裁判所の判断と理由
先行する暴行に触発された一連一体の攻撃で、その程度も先行暴行を大きく超えないなどの事情の下では、被告人の反撃は正当化される状況になかったとされました。
相手から攻撃を受けたという一点だけでなく、その状況を自らどのように作ったかを見ます。先行行為、場所と時間、相手の反撃の程度を結び付けて評価します。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
先に一度でも不正な行為をした人は、後のどんな侵害にも防衛できないという判決ではありません。時間的断絶や予想を大きく超える攻撃があれば別に検討します。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
いったん争いが終わった後、相手が別の場所で著しく強い攻撃を始めた場合も同じですか。
一連一体性や相手の攻撃の程度が異なります。本判例の限定された事情をそのまま当てはめず、新たな侵害としての評価を検討します。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「先行暴行に触発された直後・近接場所の攻撃」です。次に「相手の攻撃が先行暴行を大きく超えないこと」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。