何が起きたか
職務質問中、承諾なく上衣の内ポケットへ手を入れて取り出した物の証拠能力が争われました。所持品検査の適法性と、違法に得た証拠を公判で使えるかの二段階の問題です。
- 承諾なく内ポケットへ手を入れたこと
- 違法の程度と令状潜脱の意図等
何が問題になったか
所持品検査の適法性と、違法に得た証拠を公判で使えるかの二段階の問題です。
裁判所の判断と理由
令状主義の精神を没却する重大な違法があり、将来の違法捜査抑制の観点から相当でない場合に排除する枠組みを示しましたが、本件証拠の証拠能力は肯定されました。
本件の検査には許容限度を超えた違法がありました。他方、潜脱の意図がないことや超過の程度等を評価し、違法性の存在から自動的に排除するわけではないとしています。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
違法な捜査を適法にした判決ではありません。証拠能力の肯定と捜査行為への法的評価は区別します。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
令状を意図的に回避する重大な捜索だった場合も、同じ結論を導けますか。
重大違法と将来の抑制という排除基準に照らし直す必要があります。本件で評価された程度・態様とは異なります。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「承諾なく内ポケットへ手を入れたこと」です。次に「違法の程度と令状潜脱の意図等」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。