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判例解説

不能犯と被害者の予知|失敗したことと危険がないことの違い

殺人・同未遂の事件で、被害者が犯行を予知していたことから不能犯に当たるとの主張がされました。行為の性質上、殺人の結果が生じる危険がある以上、被害者が犯行を予知していたことだけで不能犯にはならないとされました。

更新日: 2026年10月27日
裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
1950年8月31日
出典
刑集 第4巻9号1593頁
事件番号・裁判種別
昭和25(れ)858・判決

何が起きたか

殺人・同未遂の事件で、被害者が犯行を予知していたことから不能犯に当たるとの主張がされました。最高裁は行為の性質上の結果発生の危険を問題にしました。

  • 被害者が犯行を予知していたこと
  • 行為自体には殺人結果の危険があること

何が問題になったか

最高裁は行為の性質上の結果発生の危険を問題にしました。

裁判所の判断と理由

行為の性質上、殺人の結果が生じる危険がある以上、被害者が犯行を予知していたことだけで不能犯にはならないとされました。

結果が発生しなかった事情と、そもそも危険を伴わない行為であったかを区別します。被害者の準備によって失敗したというだけで、殺害行為自体の危険まで消えるわけではありません。

判決本文・裁判要旨で確かめる

裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。

この判例が当てはまる範囲

本判決の古い不能犯の表現を、現在の学説上の危険判断のすべてを確定したものとして扱わないようにします。判示された予知の事情と結果発生の危険の関係を押さえます。

事実を変えて考える

以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。

被害者が予防して結果が起きなかったことから、直ちに行為に危険がなかったと推論できますか。

できません。結果を防いだ事情と、行為自体が結果を発生させる危険を持ったかは別の検討です。

答案・学習での使い方

検討の出発点は「被害者が犯行を予知していたこと」です。次に「行為自体には殺人結果の危険があること」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月28日

3問で理解を確かめる

本文を見ずに答えてみましょう。記述問題は模範解答と確認項目を読んで、自分で振り返ります。採点結果は学習成績には自動反映されません。解説を確認した問題は、ログイン後に復習ノートや確認カードへ保存できます。

問1・選択問題

不能犯と被害者の予知について、判断の説明として適切なものを選んでください。

問2・記述問題(自己確認)

不能犯と被害者の予知で重要な二つの事情を挙げ、判断との関係を説明してください。

問3・記述問題(自己確認)

事実を変えて考える:被害者が予防して結果が起きなかったことから、直ちに行為に危険がなかったと推論できますか。

次に学ぶこと