Case Brief
愛媛玉串料事件|神社への公金支出と政教分離
県が神社の祭祀に際して玉串料等を公金から支出したことを違憲とした判決です。金額や儀礼という名目だけでなく、支出の宗教的意義と効果を検討します。
更新日: 2026年10月23日
裁判所
最高裁判所大法廷
判決日
1997-04-02
引用
民集 第51巻4号1673頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:県が神社の例大祭等に際し、玉串料、献灯料、供物料を複数回にわたり公金から支出しました。住民訴訟で、この支出と、関係する知事・職員等の責任が争われました。 争点:神社の宗教上の祭祀に向けた支出が、憲法20条3項の宗教的活動の禁止と89条に違反するかが問題となりました。社会的儀礼という説明によって、支出の宗教的性格をどこまで否定できるかが争点です。 判断:最高裁は、祭祀における玉串料等の宗教的意義や一般人の評価等を検討し、県と特定の宗教との関わりが相当な限度を超えると判断しました。問題の公金支出は20条3項・89条に違反するとされています。公金の支出が少額であることや、遺族等との関係を挙げるだけでは、宗教上の祭祀への関与の性格を解消できないという点が重要です。
射程
津地鎮祭事件と異なる結論であっても、単に目的・効果という枠組みを捨てたと理解しないようにします。支出の対象となった行為と、その社会的・宗教的な意味の違いを整理します。 支出の違憲性と、個々の担当者が損害賠償責任を負うかは別の問題です。判決は責任や共同訴訟等も扱っていますが、学習では政教分離の判断と各人の過失等を混ぜずに読みます。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月23日