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判例解説

打撃の錯誤と故意|狙った相手以外にも弾が当たった事件

強盗の手段として人を殺す意思で銃弾を発射し、狙った相手のほか、予期しなかった別の人にも重い傷害を負わせました。人を殺害する意思で発砲し、予期しなかった人にも被害が生じた本件では、その人への具体的な認識がなかったことだけで故意犯の成立は否定されませんでした。

更新日: 2026年10月27日
裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
1978年7月28日
出典
刑集 第32巻5号1068頁
事件番号・裁判種別
昭和52(あ)623・判決

何が起きたか

強盗の手段として人を殺す意思で銃弾を発射し、狙った相手のほか、予期しなかった別の人にも重い傷害を負わせました。意図した被害者と現実の被害者のずれが問題です。

  • 殺意をもった発砲
  • 意図した相手と予期しない人の双方に生じた傷害

何が問題になったか

意図した被害者と現実の被害者のずれが問題です。

裁判所の判断と理由

人を殺害する意思で発砲し、予期しなかった人にも被害が生じた本件では、その人への具体的な認識がなかったことだけで故意犯の成立は否定されませんでした。

認識した事実と現実の事実を、被害者の個人名だけでなく、構成要件の範囲で対応させます。狙った者への行為、別の者への結果、発砲時の意思を分けて整理します。

判決本文・裁判要旨で確かめる

裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。

この判例が当てはまる範囲

何ら殺意のない事故へそのまま広げられません。また、本件では被害者が二人いるため、単に当たる相手が入れ替わった設例とは事実が異なります。

事実を変えて考える

以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。

そもそも発砲時に人を殺す意思がなかった場合にも、本件の結論をそのまま使えますか。

本件の前提となる殺意が異なります。発砲時の認識・意思と結果を踏まえ、故意や過失の要件から検討し直します。

答案・学習での使い方

検討の出発点は「殺意をもった発砲」です。次に「意図した相手と予期しない人の双方に生じた傷害」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月28日

3問で理解を確かめる

本文を見ずに答えてみましょう。記述問題は模範解答と確認項目を読んで、自分で振り返ります。採点結果は学習成績には自動反映されません。解説を確認した問題は、ログイン後に復習ノートや確認カードへ保存できます。

問1・選択問題

打撃の錯誤と故意について、判断の説明として適切なものを選んでください。

問2・記述問題(自己確認)

打撃の錯誤と故意で重要な二つの事情を挙げ、判断との関係を説明してください。

問3・記述問題(自己確認)

事実を変えて考える:そもそも発砲時に人を殺す意思がなかった場合にも、本件の結論をそのまま使えますか。

次に学ぶこと