論点解説
差押えと領置の違い|物を取得する根拠を分ける
捜査機関が物を保管しているという外形だけでは、その取得が差押えか領置かは決まりません。どの権限で、誰から、どのような状況で受け取ったかを確認しましょう。
捜査機関が物を保管しているという外形だけでは、その取得が差押えか領置かは決まりません。どの権限で、誰から、どのような状況で受け取ったかを確認しましょう。
比較表
比較点 | 差押え | 領置 |
|---|---|---|
取得の根拠 | 令状等に基づく強制処分 | 221条の遺留物・任意提出物 |
最初に見る点 | 令状又は無令状の例外と範囲 | 遺留又は提出者・任意性・対象 |
形式だけでは足りない点 | 令状があっても執行方法を確認 | 提出書があっても任意性を確認 |
取得後 | 留置・還付等を別に検討 | 同様に準用関係等を確認 |
強制的取得の根拠を確認する
差押えでは218条等の令状による根拠と、220条等の例外を区別します。令状がある場合にも記載された対象・範囲、呈示等の執行手続が問題です。逮捕した人物の関係物ならどこでも無令状で押収できる、とはいえません。
任意提出の実質を見る
221条は所有者、所持者又は保管者による任意提出物等を定めます。提出書の署名だけでなく、説明、威迫、拘束、提出者の管理状況を確認します。提出された物を取得することと、その後に別の捜査を行うことの根拠も区別します。
返還の問題を取得の適法性だけで終えない
適法に取得した物でも、留置の必要がなくなった場合には123条等を検討します。任意提出だから永久に返さなくてよいということにはなりません。媒体と電磁的記録、所有権と手続上の返還先もそれぞれ確認します。
独自設例
【学習用設例】会社の担当者Aが業務端末を提出しましたが、警察官は「断れば直ちに逮捕する」と告げていました。端末は半年後も保管されています。
設例の解説
まず221条による任意提出として評価できるかを具体的に検討します。書面の名称だけでは決まりません。次に、取得後の留置の必要と還付等を確認します。取得の根拠、実際の取得方法、後の保管を三段階に分けると論点が明確になります。
確認問題
領置された物は、差押えでないので還付の検討も不要ですか。
解答・解説:いいえ。222条の準用を含め、123条等の還付・仮還付の規律を確認します。
参考資料
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