何が起きたか
実父を殺害した被告人に、通常の殺人罪より著しく重い刑を定めた旧刑法200条を適用できるかが争われました。家族関係による区別と、法定刑の重さの合理性が問題です。
- 通常の殺人罪との法定刑の差
- 減軽後も刑の選択が著しく制約されること
何が問題になったか
家族関係による区別と、法定刑の重さの合理性が問題です。
裁判所の判断と理由
尊属に対する尊重等を背景とする加重目的を直ちに不合理とはしなかったものの、死刑又は無期懲役に限る旧200条の刑は過度に重く、憲法14条1項に違反するとされました。
多数意見は、区別の目的と手段の程度を分けています。尊属殺を加重する考え方を抽象的に述べるだけではなく、減軽を考慮しても刑の選択が著しく制約される規定の構造を問題にしました。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
親族を害する行為は処罰できないという判断ではありません。また、加重目的そのものを合理的でないとした意見と、多数意見を混同しないようにします。旧200条は現行法の条文ではありません。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
加重の目的に理由があれば、どの程度重い刑を定めても憲法14条の問題は生じませんか。
目的に理由があっても、手段である刑の重さが著しく不均衡なら問題になります。目的と具体的な法定刑の双方を評価します。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「通常の殺人罪との法定刑の差」です。次に「減軽後も刑の選択が著しく制約されること」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。