Legal Term
自然債務とは|強制実現と任意の履行を区別する
読み方:しぜんさいむ
自然債務は、裁判や強制執行による実現を求められなくても、任意にされた給付について債務がないことを理由とする返還が認められない関係を説明する際に用いられる概念です。関連する制度との違いを、根拠条文と使い方から確認します。
更新日: 2026年10月26日
定義
自然債務は、裁判や強制執行による実現を求められなくても、任意にされた給付について債務がないことを理由とする返還が認められない関係を説明する際に用いられる概念です。民法に一般的な定義条文が置かれた用語ではなく、どのような関係がこれに当たるかは、その関係に適用される規定や合意の内容から検討します。 道徳上望ましい支払がすべて法律上の自然債務になるわけではありません。債務がないことを知ってした弁済に関する705条、期限前の弁済に関する706条、不法原因給付の708条も、各要件を備えた別の規律です。時効完成後の弁済も、援用、完成の認識、時効利益の放棄等を考慮し、一律に自然債務の名称だけで処理しません。
試験での使い方
請求を裁判上実現できるかと、すでに行われた給付を取り戻せるかを分けて答えます。自然債務という分類を先に決めるより、契約の内容、返還請求の根拠、民法上の返還制限を一つずつ確認する方が適用を誤りにくくなります。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月26日