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予備試験短答の正答率の目安|合格点から逆算する科目別目標

予備試験短答式試験の正答率は何割を目指すべきか。近年の合格点、270点満点の配点、法律科目と一般教養の目標、科目別の正答率管理を解説します。

公開日: 2026年5月12日更新日: 2026年5月8日
予備試験短答の正答率の目安|合格点から逆算する科目別目標

予備試験短答の正答率の目安|合格点から逆算する科目別目標

結論:短答は「6割前後」ではなく「安全圏」を作る

予備試験短答式試験は270点満点です。令和7年予備試験短答式試験では、合格点は159点以上、合格者平均点は175.8点と公表されています。

159点は270点満点の約58.9%です。数字だけを見ると「6割でいい」と感じるかもしれません。

しかし、実際の学習目標を6割に置くのは危険です。

本番では、次のようなブレが起きます。

  • 難化年度で得意科目が崩れる

  • 緊張で問題文を読み落とす

  • 時間不足で後半が雑になる

  • 一般教養で思ったより取れない

  • 苦手科目が想定より低くなる

    そのため、目標は「合格点」ではなく、合格点より余裕のある安全圏に置くべきです。

配点から考える短答の構造

予備試験短答は、法律基本7科目と一般教養で構成されます。

分野

科目

配点

公法系

憲法・行政法

60点

民事系

民法・商法・民事訴訟法

90点

刑事系

刑法・刑事訴訟法

60点

一般教養

人文・社会・自然科学・英語等

60点

合計


270点

法律基本7科目は合計210点、一般教養は60点です。

短答戦略の基本は、法律科目で土台を作り、一般教養で上積みすることです。

目標点の考え方

最低ライン:合格点付近

合格点付近は、年度によって変動します。令和7年は159点、令和6年は165点でした。

このラインを目標にすると、少しのミスで不合格になります。

現実的な目標:170点台

170点台に乗ると、合格点からある程度の余裕が出ます。

ただし、得意不得意のブレが大きい人は、170点でも安心とは言えません。

安全圏の目標:180点前後

実務的には、180点前後を目指すと安定しやすくなります。

もちろん、年度の難易度によって変わりますが、普段の演習で180点前後を取れる状態なら、本番で多少崩れても合格点を守りやすくなります。

法律科目と一般教養の目標配分

短答では、一般教養を得点源にしすぎると不安定です。

おすすめは、法律科目でできるだけ稼ぎ、一般教養で補う設計です。

目標タイプ

法律科目210点

一般教養60点

合計

最低限

145点

20点

165点

標準

155点

25点

180点

安全重視

165点

25〜30点

190点前後

一般教養は得意な人でもブレやすいため、法律科目の精度を上げる方が再現性があります。

科目別の正答率目安

各法律科目は30点満点です。

科目

目標の考え方

憲法

判例・統治で安定して6〜7割以上を狙う

行政法

条文・判例の頻出分野を落とさない

民法

範囲が広いため7割以上を目標にする

商法

会社法の基本論点で失点を減らす

民事訴訟法

手続の流れと条文知識を安定させる

刑法

構成要件・共犯・罪数で確実に取る

刑事訴訟法

捜査・公判・証拠の基本を落とさない

「全科目で同じ正答率」を目指す必要はありません。

得意科目で上積みし、苦手科目で大崩れしないことが重要です。

正答率管理で見るべき数字

正答率は、次の3種類を分けて管理します。

1. 年度別正答率

年度別過去問を本番時間で解いたときの正答率です。

本番に近い指標ですが、年度ごとの難易度差があります。

2. 科目別正答率

科目ごとの安定度を見る指標です。

合計点が高くても、特定科目が極端に低い場合は危険です。

3. 論点別正答率

本当に点を伸ばすために必要なのは論点別正答率です。

たとえば、民法の合計点だけを見るのではなく、次のように分けます。

  • 意思表示

  • 代理

  • 時効

  • 物権変動

  • 担保物権

  • 債務不履行

  • 不法行為

  • 相続

    論点別に見ると、復習対象が明確になります。

正答率別の対策

80%以上:維持フェーズ

この状態の論点は、毎日触る必要はありません。

直前期まで、週1回程度の確認で維持します。

65〜79%:合格圏に近いが不安定

このゾーンは、点を伸ばしやすい領域です。

間違えた肢だけを反復し、理由を説明できるようにします。

50〜64%:基礎の穴がある

このゾーンは、肢別だけを回しても伸びにくいです。

条文、基本論点、判例の理解に戻ります。

50%未満:再構築が必要

このゾーンは、解説を読んでも理解が浅い可能性があります。

講義テキスト、基本書、入門教材に戻って、制度全体を整理してください。

正答率が上がらない原因

1. 同じ肢を同じ理由で間違える

これは復習が足りない状態です。

ミスログに残し、復習日を決めます。

2. 正解した問題を復習しない

正解していても、理由が曖昧なら危険です。

「たまたま正解」を見逃すと、本番で崩れます。

3. 苦手科目を放置する

苦手科目を放置すると、合計点のブレが大きくなります。

苦手科目は満点を狙う必要はありません。最低限の安定点を作ることが目的です。

4. 一般教養に期待しすぎる

一般教養は範囲が広く、短期間で安定させにくい科目です。

法律科目で土台を作る方が安全です。

直前期の正答率目標

直前1ヶ月では、次の状態を目指します。

  • 年度別で合格点を安定して超える

  • 法律科目で大崩れしない

  • 苦手論点の×が減っている

  • 時間内に解き切れる

  • 一般教養の解く順番が決まっている

    直前期に一番危険なのは、「新しい知識を増やせば点が伸びる」と考えることです。

    正答率を上げるには、新しい教材よりも、過去に間違えた肢の再発防止が効きます。

よくある質問

Q. 何割取れば短答に合格できますか?

年度によって変わります。令和7年は270点満点中159点以上でしたが、合格点ギリギリを目標にするのは危険です。普段の演習では170点台後半から180点前後を目指す方が安全です。

Q. 一般教養が苦手でも合格できますか?

可能性はあります。ただし、一般教養が低い場合は法律科目で高い得点が必要になります。一般教養を完全に捨てるのではなく、得意分野で拾える問題を増やす方が安全です。

Q. 科目別に足切りはありますか?

予備試験短答は、公開されている合否判定方法上、各科目の合計得点で判定されます。ただし、科目別の大崩れは合計点に直結するため、実務上は「足切り級の失点」を避ける管理が必要です。

次に読むべき記事

  • 予備試験短答の足切り回避戦略

  • 予備試験短答過去問の回し方

  • 予備試験論文の採点基準

まとめ

予備試験短答の正答率は、単に「何割取ればいいか」ではなく、合格点から逆算して安全圏を作る必要があります。

  • 合格点は年度で変動する

  • 令和7年は270点満点中159点以上

  • 目標は合格点ギリギリではなく安全圏

  • 法律科目で土台を作り、一般教養で上積みする

  • 科目別・論点別に正答率を管理する

    短答は、点数管理をすれば伸ばしやすい試験です。正答率を記録し、弱点を数字で見える化してください。

参考情報・出典

この記事は、以下の公開情報を確認したうえで作成しています。試験制度・日程・出願方法・CBT仕様は変更される可能性があるため、出願前・直前期には必ず法務省の最新情報を確認してください。

法務省「令和8年司法試験予備試験の実施日程等について」
法務省「令和8年司法試験予備試験受験案内」
法務省「令和7年司法試験予備試験問題」
法務省「令和7年司法試験予備試験の結果について」
法務省「司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化について」
法務省「司法試験予備試験の方式・内容等について」
e-Gov法令検索「司法試験法」
Dunlosky et al., Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques
Roediger & Karpicke, Test-enhanced learning