試験対策
予備試験短答の正答率の目安|合格点から逆算する科目別目標
予備試験短答式試験の正答率は何割を目指すべきか。近年の合格点、270点満点の配点、法律科目と一般教養の目標、科目別の正答率管理を解説します。

予備試験短答の正答率の目安|合格点から逆算する科目別目標
結論:短答は「6割前後」ではなく「安全圏」を作る
予備試験短答式試験は270点満点です。令和7年予備試験短答式試験では、合格点は159点以上、合格者平均点は175.8点と公表されています。
159点は270点満点の約58.9%です。数字だけを見ると「6割でいい」と感じるかもしれません。
しかし、実際の学習目標を6割に置くのは危険です。
本番では、次のようなブレが起きます。
難化年度で得意科目が崩れる
緊張で問題文を読み落とす
時間不足で後半が雑になる
一般教養で思ったより取れない
苦手科目が想定より低くなる
そのため、目標は「合格点」ではなく、合格点より余裕のある安全圏に置くべきです。
配点から考える短答の構造
予備試験短答は、法律基本7科目と一般教養で構成されます。
分野 | 科目 | 配点 |
|---|---|---|
公法系 | 憲法・行政法 | 60点 |
民事系 | 民法・商法・民事訴訟法 | 90点 |
刑事系 | 刑法・刑事訴訟法 | 60点 |
一般教養 | 人文・社会・自然科学・英語等 | 60点 |
合計 | 270点 |
法律基本7科目は合計210点、一般教養は60点です。
短答戦略の基本は、法律科目で土台を作り、一般教養で上積みすることです。
目標点の考え方
最低ライン:合格点付近
合格点付近は、年度によって変動します。令和7年は159点、令和6年は165点でした。
このラインを目標にすると、少しのミスで不合格になります。
現実的な目標:170点台
170点台に乗ると、合格点からある程度の余裕が出ます。
ただし、得意不得意のブレが大きい人は、170点でも安心とは言えません。
安全圏の目標:180点前後
実務的には、180点前後を目指すと安定しやすくなります。
もちろん、年度の難易度によって変わりますが、普段の演習で180点前後を取れる状態なら、本番で多少崩れても合格点を守りやすくなります。
法律科目と一般教養の目標配分
短答では、一般教養を得点源にしすぎると不安定です。
おすすめは、法律科目でできるだけ稼ぎ、一般教養で補う設計です。
目標タイプ | 法律科目210点 | 一般教養60点 | 合計 |
|---|---|---|---|
最低限 | 145点 | 20点 | 165点 |
標準 | 155点 | 25点 | 180点 |
安全重視 | 165点 | 25〜30点 | 190点前後 |
一般教養は得意な人でもブレやすいため、法律科目の精度を上げる方が再現性があります。
科目別の正答率目安
各法律科目は30点満点です。
科目 | 目標の考え方 |
|---|---|
憲法 | 判例・統治で安定して6〜7割以上を狙う |
行政法 | 条文・判例の頻出分野を落とさない |
民法 | 範囲が広いため7割以上を目標にする |
商法 | 会社法の基本論点で失点を減らす |
民事訴訟法 | 手続の流れと条文知識を安定させる |
刑法 | 構成要件・共犯・罪数で確実に取る |
刑事訴訟法 | 捜査・公判・証拠の基本を落とさない |
「全科目で同じ正答率」を目指す必要はありません。
得意科目で上積みし、苦手科目で大崩れしないことが重要です。
正答率管理で見るべき数字
正答率は、次の3種類を分けて管理します。
1. 年度別正答率
年度別過去問を本番時間で解いたときの正答率です。
本番に近い指標ですが、年度ごとの難易度差があります。
2. 科目別正答率
科目ごとの安定度を見る指標です。
合計点が高くても、特定科目が極端に低い場合は危険です。
3. 論点別正答率
本当に点を伸ばすために必要なのは論点別正答率です。
たとえば、民法の合計点だけを見るのではなく、次のように分けます。
意思表示
代理
時効
物権変動
担保物権
債務不履行
不法行為
相続
論点別に見ると、復習対象が明確になります。
正答率別の対策
80%以上:維持フェーズ
この状態の論点は、毎日触る必要はありません。
直前期まで、週1回程度の確認で維持します。
65〜79%:合格圏に近いが不安定
このゾーンは、点を伸ばしやすい領域です。
間違えた肢だけを反復し、理由を説明できるようにします。
50〜64%:基礎の穴がある
このゾーンは、肢別だけを回しても伸びにくいです。
条文、基本論点、判例の理解に戻ります。
50%未満:再構築が必要
このゾーンは、解説を読んでも理解が浅い可能性があります。
講義テキスト、基本書、入門教材に戻って、制度全体を整理してください。
正答率が上がらない原因
1. 同じ肢を同じ理由で間違える
これは復習が足りない状態です。
ミスログに残し、復習日を決めます。
2. 正解した問題を復習しない
正解していても、理由が曖昧なら危険です。
「たまたま正解」を見逃すと、本番で崩れます。
3. 苦手科目を放置する
苦手科目を放置すると、合計点のブレが大きくなります。
苦手科目は満点を狙う必要はありません。最低限の安定点を作ることが目的です。
4. 一般教養に期待しすぎる
一般教養は範囲が広く、短期間で安定させにくい科目です。
法律科目で土台を作る方が安全です。
直前期の正答率目標
直前1ヶ月では、次の状態を目指します。
年度別で合格点を安定して超える
法律科目で大崩れしない
苦手論点の×が減っている
時間内に解き切れる
一般教養の解く順番が決まっている
直前期に一番危険なのは、「新しい知識を増やせば点が伸びる」と考えることです。
正答率を上げるには、新しい教材よりも、過去に間違えた肢の再発防止が効きます。
よくある質問
Q. 何割取れば短答に合格できますか?
年度によって変わります。令和7年は270点満点中159点以上でしたが、合格点ギリギリを目標にするのは危険です。普段の演習では170点台後半から180点前後を目指す方が安全です。
Q. 一般教養が苦手でも合格できますか?
可能性はあります。ただし、一般教養が低い場合は法律科目で高い得点が必要になります。一般教養を完全に捨てるのではなく、得意分野で拾える問題を増やす方が安全です。
Q. 科目別に足切りはありますか?
予備試験短答は、公開されている合否判定方法上、各科目の合計得点で判定されます。ただし、科目別の大崩れは合計点に直結するため、実務上は「足切り級の失点」を避ける管理が必要です。
次に読むべき記事
予備試験短答の足切り回避戦略
予備試験短答過去問の回し方
予備試験論文の採点基準
まとめ
予備試験短答の正答率は、単に「何割取ればいいか」ではなく、合格点から逆算して安全圏を作る必要があります。
合格点は年度で変動する
令和7年は270点満点中159点以上
目標は合格点ギリギリではなく安全圏
法律科目で土台を作り、一般教養で上積みする
科目別・論点別に正答率を管理する
短答は、点数管理をすれば伸ばしやすい試験です。正答率を記録し、弱点を数字で見える化してください。
参考情報・出典
この記事は、以下の公開情報を確認したうえで作成しています。試験制度・日程・出願方法・CBT仕様は変更される可能性があるため、出願前・直前期には必ず法務省の最新情報を確認してください。
・法務省「令和8年司法試験予備試験の実施日程等について」
・法務省「令和8年司法試験予備試験受験案内」
・法務省「令和7年司法試験予備試験問題」
・法務省「令和7年司法試験予備試験の結果について」
・法務省「司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化について」
・法務省「司法試験予備試験の方式・内容等について」
・e-Gov法令検索「司法試験法」
・Dunlosky et al., Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques
・Roediger & Karpicke, Test-enhanced learning